都電荒川線の旅 1
2004年11月23日
都電・荒川車庫



 秋の天気に誘われて、都内にただひとつだけ残っている都電荒川線に乗ってきました。都電の歴史は、明治44年にさかのぼります。そして昭和18年には一日約193万人が利用、41系統もの路線が走っていました。しかし、自動車交通の発達ともに減少、今ではこの荒川線1線になってしまいました。
 今回は町屋駅から都電に乗車、料金はどこまで乗っても160円。そして一日乗車券は400円。早稲田行き電車に乗り、早速一日乗車券を購入しました。荒川車庫前で下車、営業所に寄って、パンフレットと案内図をもらってきました。
 荒川線は三ノ輪橋から早稲田までの30駅を約50分で走ります。昼間は5,6分おきに運行されています。前回、乗ったのも休日でしたが今回も休日、とにかくどの電車も混んでいるのです。地元の人たちの足として定着しているんですね。 パンフレットを見ながら、今日の予定を立てる。いくつかのコースがあるのですが、今回は「六義園・かくれた原宿さまざまな著名人を偲ぶコース」を選んでみました。


コースは「西ヶ原4丁目」で下車、妙行寺→総禅寺→本妙寺→慈眼寺→染井霊園→六義園とめぐるコースです。王子駅、桜で有名な飛鳥山を過ぎ、西ヶ原4丁目で下車しました。まず、目指すは妙行寺。私が持っている地図はこれだけ。見当をつけて歩き始めたのですが、やはり道を間違えていました。これが幸いしたのか、途中、いかにも歴史がありそうな和菓子屋さんがあったのでちょっと寄り道をしてみました。「桐生屋」さん、鹿の子がとてもおいしそうだったので2個購入、ここで妙行寺への道を尋ねると結構近いことがわかりました。


妙行寺といえば、四谷怪談で有名なお岩さんのお墓があります。お岩さんは江戸時代の初期に実際に四谷左門町で健気な人生を送った女性だそうです。歌舞伎作家の鶴屋南北は「お岩」の名前を使って歌舞伎にすれば、大当たり間違いないと考えました。これが大当たり、これが有名な『東海道四谷怪談』です。
妙行寺 お岩さんの墓





妙行寺を後にして次に向かったのが総禅寺でした。持っている地図を見ると、都電の線路を過ぎてすぐ左にあるようになっています。ところがなかなか見つかりません。地元の人に聞いても、わかりません。なんとか聞きながら歩いていくと・・・やっと見つかりました。地図と全然違うじゃないか!というのが実際のところです。


総禅寺には手塚治虫先生のお墓があります。しかし、このお寺は「無断立ち入り禁止」の立て札がたっています。どうしようか悩んでいると、ちょうどお墓参りに来た方がいたので声をかけてみると、「いいですよ、私が案内しますよ」と暖かいお言葉・・・受付で来意を告げ、お線香を購入、お寺の方が手塚先生のお墓に案内してくれました。墓標の左側には手塚先生の漫画が彫られた石碑があります。一部、お水で濡れていたため、見にくい写真になってしまいました。


本妙寺は総禅寺から5分くらいのところにありました。徳栄山本妙寺。明暦の大火では十万八千人の命が失われた言われております。境内にはその供養塔や剣豪、千葉周作の墓、北町奉行、遠山の金さんこと遠山金四郎の墓があります。
千葉周作は北辰一刀流の開祖、安政二年十二月十日没、戒名は高明院勇誉智底敬寅居士。
遠山左衛門尉景元、テレビの遠山の金さんとして有名ですね。江戸後期の北町奉行、その後大目付、南町奉行を務める。後に隠居して仏門に入る。安政二年二月二十九日没、戒名は帰雲院殿松遷日享大居士。


千葉周作の墓 遠山左衛門尉景元の墓