2月21日
最終日。今日は久しぶりに姫島に行ってみようと思い、フェリーの時間を確認すると、姫島で2時間くらいの時間が取れそうです。姫島は日本書紀によると、垂仁天皇の御代、韓国の王子が白い石から生まれたお姫様と結婚しようとしましたが、お姫様はそれを逃れ、海を渡って島に上陸し、比売語曽の神となりました。姫島の名の由来はここから始まります。姫島は国東半島の伊美港よりフェリーで約20分。伝説と七不思議、風光明媚な島です。近年、姫島の盆踊りは有名になっています。姫島盆踊りは鎌倉時代の念仏踊りから発展してきたと言われ、8月14日から16日までの3日間開催されます。一番人気はきつね踊り。そのほか地区ごとにユニーク踊りがありますが、私のお気に入りは、クロンボの踊り。あまり有名ではありませんがちょっとエロティック踊りです。産業は車えびの養殖。そして、かれいとたこ漁が盛ん。最近、この島はワークシェアリングでも脚光をあびています。

対岸から見た姫島


姫島港到着。港の前にある、お土産屋さんでレンタサイクルを借ります。「あのぅー、この自転車、鍵がついていないのですが?」と言うと、「誰も盗みませんよ」と言う返事が・・・とてもおおらかです。まず、向かったのは港の反対側にある、観音崎へ。ここは高さ40メートル、乳白色の黒曜石の断崖が120メートルにも及んでおり、国の天然記念物に指定されています。この断崖の上には七不思議のひとつ、千人堂があります。大晦日の夜、債鬼に追われた善人を千人かくまうことができるのでこの名があります。海岸線から登山道を登ること約10分、観音崎に到着。ここからの景色は最高です。近くには夫婦岩が見えます。水もとてもきれい。しばし見とれてしまいました。
観音崎 千人堂
夫婦岩

一度港まで戻り、海岸線を灯台方面に走ります。対岸には国東半島の峰々が見えます。姫島の最高峰、266メートルの矢筈岳(やはずだけ)を左に見ながら比売語曽(ひめこそ)社へ。近くには七不思議のひとつ、拍子水があります。ここはお姫様がおはぐろをつけたあと、、口をゆすごうとしたが水がなく、手拍子を打って祈ったところ、水が湧き出たので拍子水といいます。今でも、池に向かって手を打つと水がボコボコと湧き出てきます。口に含んでみるとちょっと鉄さびくさいがとても強い炭酸水です。隣にはこの温泉水を加熱して入浴できる拍子水温泉があるのですが、なぜか工事中。あーーー、入りたかったのに・・・。
比売語曽社(ひめこそしゃ
拍子水

まだ時間があるので大帯八幡社(おおたらしはちまんしゃ)に向かいました。昔、姫島も宇佐八幡の神領地であり、大帯八幡は宇佐八幡の末社としていたのでしょう。
大帯八幡社

残念ながら、時間がなくなってきたので、国東半島に戻ることにしました。空港に行く前に、岩戸寺を目指します。ここには国東最古の国東塔があります。鎌倉時代の作でとても優美な姿をしています。国の重要文化財。残念ながら一部が欠落していますが、これがなかったら国宝級のものです。山門を入り、奥の院に向かう途中に国東塔があります。しばし見とれてしまいました。
岩戸寺
奥の院への山道
日本最古の国東塔
今にも朽ち果てそうな石仏
講堂

岩戸寺を後に文殊仙寺に向かいます。仁王像が鎮座するうっそうとした急な山道を登っていくと、やっと本堂にたどり着きます。この寺は文殊山(614メートル)の山裾にあります。ここの御住職は成仏寺の鬼会の鬼様です。最近は鬼様を引退し、息子さんが鬼様になっているようです。また、ここは3大文殊のひとつに数えられ、奥の院の隣の洞窟からは知恵の水が湧き出ています。本尊は文殊菩薩。本殿にはいると、「どうぞご自由にお飲みください」とお茶とお菓子がおいてありました。ありがたくいただき、副住職がいらしたので、知恵の水について伺うと、「今、洞窟がちょっと危険な状態なので、一般の人は入れません。知恵の水はここに汲んでありますのでこちらをどうぞ」という返答。ありがたく知恵の水をいただきました。これで両子寺の不老不死の水、そして文殊仙寺の知恵の水をいただいたことになります。御利益がありそうです。
文殊仙寺への山道
文殊仙寺本堂
奥の院
役の行者像
西日本最大の宝篋印塔 ここからの景色は最高!

最後に訪れたのは成仏寺です。本尊は不動明王。本堂にはちょうど御住職がいらして、お話を伺うことができました。18日行われた鬼会で使用したゲタを干していました。「今度使うのは2年後なので干しておかないとカビが生えてしまう。」ととても現実的なことをおっしゃっていました。鬼会は本堂の畳を上げて行われたそうです。奥の院には鬼会で使用された松明の残りも見ることができました。
成仏寺山門
本堂
不動三尊像と鬼会の面
石仏群 庚申塔

成仏寺を後に大分空港を目指します。今回は初めてレンタカーで廻ったのでほぼ、予定通り行動できました。今回、行けなかったところにはちょっと後ろ髪を惹かれる思いですがまたの機会を期して国東半島を後にしました。